骨密度が低いと言われたら…将来の骨折リスクとどう向き合う?

先日、検診で「骨密度が低い」と言われてしまって…。
このままだと骨折しやすくなるんですか?

はい、しっかり確認しておくべきタイミングですね。
女性の骨は、女性ホルモン(エストロゲン)の働きによって守られています。でも、更年期になるとそのエストロゲンが急激に減ってしまいます。そのため、女性は男性よりも骨密度(=骨の量)が減りやすく、骨粗しょう症になりやすいことが知られています。

ホルモンが骨にも関係しているんですね。

そうなんです。骨では、常に古い骨を壊して新しい骨を作っています。エストロゲンが減ることで、骨を壊す働きが活発になり、骨を作る働きが追いつかなくなります。
その結果、骨密度(骨の量)が低下して「骨減少症」、そして「骨粗しょう症」へと進行していくことになります。

「骨減少症」って「骨粗しょう症」とは違うんですか?

はい、「骨減少症」は骨密度が正常より低くなっている状態ですが、まだ骨折リスクがそこまで高くない段階を指します。
でもそのまま進むと、「骨粗しょう症」と診断されるレベルに達し、骨折リスクが大きくなるのです。

それは…将来が不安になりますね。

だからこそ、更年期は骨の健康にとって大きな転機になります。
若い頃、特に小中学生や高校生の時期にしっかりと骨密度(骨の量)を増やしていたかどうかも影響します。その「骨の貯金」が少ないと、更年期になって骨密度がさらに減ってくるので貯金はますます減ることになりますね。

なるほど…「骨の貯金」って、大事なんですね。

はい。そして骨密度が低い状態を放置すると、ちょっとした転倒でも骨折して、将来的に寝たきりになる原因にもなりかねません。
「骨の量ぐらい」と思わずに、早めに医師に相談して対策をとることが大切です。
【まとめ】
「骨密度が低い」と言われたら、骨減少症や骨粗しょう症のリスクを正しく理解し、今後の対策を考える時期です。
更年期は骨にとっても重要なターニングポイント。
検診結果をきっかけに、骨の健康と将来の生活の質について、一度じっくり考えてみましょう。
(執筆:安井医師)
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