ホルモン治療は、いつまで続ければいいの?

安井先生、ホルモン治療って、どれくらいの期間続けるものなんでしょうか?ずっと続けないといけないんですか?

とてもよく聞かれる質問ですね。基本的に患者さんの目的によって異なりますが、“症状があるあいだ”だけ治療を行うという選択でも問題ありません。更年期症状がつらくて治療を始めた場合、症状が落ち着いて楽になれば、その時点でやめても問題ありません。

じゃあ、楽になったらすぐにやめてもいいんですね。

はい、ただし注意が必要です。いったん症状がなくなっても、治療をやめると再び症状がぶり返してしまうこともあります。ですから、やめるときは自己判断ではなく、主治医と相談しながら最適な方法を決めていきましょう。例えば、少しずつホルモンの量を減らしていくのも1つの選択肢です。

逆に、調子がよくて『このまま続けたい』と思ったときはどうなるんでしょうか?

それももちろん大丈夫です。実は、現在の日本のHRT(ホルモン補充療法)ガイドラインでも、海外の報告でも、“何歳になったらやめなければならない”という決まりはありません。女性ホルモンの効果を実感した方の多くが『このまま続けたい』と希望されますよ。

そうなんですね。ずっと続けるのは不安だったのですが、安心しました。

大切なのは、“何のためにホルモン治療をしているのか”を定期的に確認することです。たとえば、ホットフラッシュなどの症状を抑えるためなのか、骨や血管の健康を守るためなのか――目的は人によって違います。その目的を主治医と確認しながら、必要な検査も受けつつ、安全に治療を続けていきましょう。

なるほど。自分の体と相談しながら、安井先生と一緒に考えていけばいいんですね。

その通りです。“やめるタイミング”も“続ける判断”も、すべて個人差があります。焦らず、一緒にベストな選択をしていきましょう。
まとめ
・ホルモン治療は症状がある間だけでもOK。
・やめるときは自己判断せず主治医と相談して。
・年齢による中止の決まりはなく、続けたい人は継続可能。
・定期的な検査と目的の確認で、安心して治療を続けられる。
(執筆:安井医師)
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