子宮内膜症と心血管疾患のリスク

〜将来の健康のために、今知っておきたいこと〜

■ 婦人科疾患が、心臓や血管に影響する?

子宮内膜症は、30〜40歳代の女性に多く見られる婦人科疾患です。ひどい生理痛に悩まされる病気として広く知られていますが、近年、この病気と「血管の健康」との意外な関係が注目されています。

2016年、大規模な前方視的コホート研究(特定の集団を長期間にわたって追跡し、病気の発生などを調べる研究)の結果が発表されました。それによると、子宮内膜症と診断された女性は、そうでない女性に比べて、その後に心筋梗塞や狭心症、さらには冠動脈(心臓に酸素を送る血管)のバイパス手術やステント治療(血管を広げる治療)を受ける割合が、明らかに高いことが分かったのです。

■ 日本国内の調査でも示された共通点

この傾向は、日本国内の調査でも指摘されています。 日本看護師研究(JNHS)という調査によれば、子宮内膜症がある方では、55歳以降に発症のピークを迎える脳梗塞や狭心症、さらには一過性脳虚血発作(脳の血流が一時的に滞り、麻痺などの症状が出る脳卒中の前触れ)を併せ持っているケースが多いことが示されました。

現在も、なぜ子宮内膜症が心血管疾患(心臓や血管の病気)のリスクを高めるのか、その因子を突き止めるための研究が世界中で続けられています。

■ 定期的な健康診断を

子宮内膜症を抱えている方は、生理痛のコントロールなどの婦人科的なケアはもちろん大切です。

それと同時に、将来の心臓や脳の血管の健康を守るために、定期的な健康診断を欠かさず受けるようにしましょう。

(執筆:安井医師)

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