ホルモン補充療法(HRT)と乳がんのリスク
更年期障害などの治療において、ホルモン補充療法(HRT)を検討される際、多くの方が不安に感じられるのが「乳がんへの影響」ではないでしょうか。
今回は、HRTと乳がんのリスク、そして正しく治療を受けるための考え方についてお伝えします。

乳がんへの影響は「限定的」
結論から申し上げますと、HRTによる乳がんへの影響はあるものの、その影響は小さいとされています。
ただし、重要なことは、リスクの大きさはすべての人で一律ではないということです。以下のような様々な要因が複雑に関連していることが報告されています。
- 使用するホルモン剤の種類と投与量
- 投与の経路(飲み薬、貼り薬など)や方法
- HRTを行う期間
- 過去のホルモン療法受診歴
- 個人の体質や背景(個人の特性)
このように、お一人おひとりの状況によってリスクの度合いは異なるため、過度に恐れるのではなく、ご自身の状況を医師としっかり共有することが大切です。
「早期発見」につながる定期チェック
実は、HRTを受けている女性は、受けていない女性に比べて乳がんが発見されやすいという側面があります。
HRTを受けている女性は、治療を担当する医師から定期的に「乳がん検診を受けていますか?」というチェックが入り、結果として検診を受ける機会が増えるため発見されやすいのでは?と考えられています。HRTの有無にかかわらず、乳がんの早期発見には定期的な検診が欠かせません。
リスクとベネフィットを天秤にかける
更年期の症状は、日常生活の質(QOL)に大きく関わります。HRTを検討する際は、以下の視点を持つことが重要です。
「自分の症状の改善(ベネフィット)」と「HRTによるリスク」を天秤にかけ、納得した上で治療を受けるかどうかを考える。
もちろん、治療を継続する場合は、併行して定期的な乳がん検診を必ず受けるようにしましょう。
(執筆:安井医師)
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